間違ってない! 〝ぜんぜん〟の使い方

 

「昨日までは首とかすごい痛くて走れなかったんですけど、今ではぜんぜん治ったので」

 

 

   さっきニュースを見ていると、おばあちゃんが一言。「ぜんぜん治った」って言い方、嫌いやわ。昔はそんな言い方せいへんかってんけどな……とのこと。

 

   確かに、“ぜんぜん”の後に続く言葉は『〜違う』『〜ない』などの否定を表すモノのはず。ぜんぜん大丈夫・ぜんぜんOK、みたいなのはおかしい!   と言うおばあちゃんは正しいと思ってしまった。

 

…………じゃあ、僕たちはどうして『ぜんぜん大丈夫』と言ってしまうのだろう?

   それをちょっと考えてみました。

 

   出て来た結論は何のことない、カンタンなことだと思ったのです。

 

「昨日までは首とかすごい痛くて走れなかったんですけど、今ではぜんぜん治ったので」

 

   これを「ぜんぜん治った」だと思ってしまうからおかしく感じるのです。

 

……つまり、

『昨日までは首とかすごい痛くて走れなかったんですけど、今ではぜんぜん(痛くないのです。)……治ったので』

 

   僕らは「ぜんぜん」と言った瞬間、その後に話し手が何を言いたいのかわかってしまう。そして、言わなくても伝わる言葉は少しづつ少しづつ、口にしなくなります。『おはよう』や『こんにちは』、『いただきます』などはその良い例だと思います。

 

   それぞれ、

「本日もお早うございます」

「こんにち  はいい天気ですね」

「○○の命を私の命にさせていただきます」

もはや原型もないくらい省略されまくってますね。

   

   よって僕の結論は、

『昨日までは首とかすごい痛くて走れなかったんですけど、今ではぜんぜん……治ったので』

 

   この「……」の中に色々なモノが省略されまくっているのでは?   と言うことですね。

 

   では、こんにち はここまでです。